一畳のくつろぎタイム

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2023年9月14日木曜日

加湿器とレジオネラ菌と、手入れ楽な自作「お手入れ全振り加湿器」

レジオネラ菌の知名度が突然アップ

 2023年のはじめ老舗温泉宿の温泉がメンテナンスを怠った事によりレジオネラ菌が増殖し、健康被害があったことで色々ニュースで取り上げられました。

以前「加湿器を買おうとして結局100均の加湿器で済ませた話」の中でレジオネラ菌について触れました。

https://blogger.kinkuman.net/2021/02/100.html

一般家庭では毎日お湯を変えていれるのならば、お風呂よりも放置した加湿器の方がレジオネラ菌がヤバイって印象を持っています。

100均の加湿器は超音波式で、メンテナンスを怠るとレジオネラ菌に汚染されるという事は理解し活用してきました。

 なんとなくでメンテナンスをしていましたが、メンテナンス頻度はどうなのだろうと疑問が沸き調べました。加熱式、気化式、超音波式といろいろな加湿器を使ってきた経験も含めて各加湿方式の特徴と安全面について書きます。

最後に「おしゃれ」とはかけ離れた自作加湿器を紹介します。

調べて腑に落ちた加湿器のメンテナンスタイミング

放置した水はどれくらいで悪くなるのだろうか?

鑑賞用魚のキョーリン社のサイトにはこうあります。魚のための水なので塩素を抜かなければならないので逆の立場ですが、

https://www.kyorin-net.co.jp/topics/to25.html

(塩素は)室内で汲み置く場合は、2~3日経過しないと抜けないようです。

水道水には塩素が入っており、その状態では水は容易には悪くなりません。しかし2~3日放置をすると塩素が抜け、魚には優しく、菌にもやさしくなり繫殖しやすくなるんだと思います。

つまり、会社などでは金曜日に加湿器の水を補充し、そのまま帰宅して土日で塩素が抜け、月曜日にそのまま加湿器を使用した場合、あまりよくないと感じます。

日光があたるとさらに抜けやすいようで、日当たりが良いと数時間で(塩素が抜ける)悪くなるようです。 

ということで、加湿器にセットした水があまり減っていなかったとしても水替えは2日に一度は必須という事です。2日目にいきなり悪くなるわけではなくじわじわ悪くなるので可能なら1日程度かなと思いました。 

 では水は変えるとして、本体のお掃除はどうなのか?


加湿方式によるメンテナンスを怠った場合の危険度

 こちらの資料 [ 家庭用加湿器の貯留水と吹出気における微生物の検討 ]

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsogd/39/1_2/39_65/_pdf/-char/ja

を読んでみますと、メンテナンスを怠った場合の危険度はこういうランクづけだと私は感じました。

ヤバイーーーー普通ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー安全

超音波式 >> 気化式 ≒ ハイブリッド(+加熱式のもの)>加熱式

超音波式と気化式の間に越えられない壁があるように思います。

大手国産メーカーが販売している加湿器は単体超音波式のものは基本的に無く、大手でないところだと、あったとしても加熱式とのハイブリッドです。

Amazonで買える様々な知らないメーカーの物は超音波式一択がほとんどで、秋葉原の裏通りのお店に並んでる商品と基本的な考え方が同じで利用者(購入者)の自己責任です。

そのため安かったり、ちょっと尖った商品に出会えるので、それはそれでよい事と思います。あまり気にしたくない方は、安全面が考慮された大手メーカーの商品を買うのがベストだと思います。

 

安全で電気代が安く手入れが楽なオールマイティの加湿器はあるのか?

レジオネラ菌に注目し、安全を柱に考えたが場合、お湯を沸騰させる形式の加熱式は、熱により殺菌されるので多少水が悪くなっていても問題ありません。ハイブリッド式は何と何のハイブリッドかは気にする必要がありますが、加熱式となにかの組み合わせの場合は加熱による殺菌が期待できます。

加熱式加湿器
 
なによりも面倒なのが加湿器自体の掃除です。

 

方式ごとの特徴とコストや手入れの面倒さ

加熱式 (蒸発)

水を沸騰させたお湯の湯気で加湿する方式です。高熱で加熱するため菌は死滅します。加熱式が一番安全ではありますが、ずっとお湯を沸かし続けるのと同じなので大変電気を食います。出るのが沸騰した湯気なのでちょっと危険だったりします。それからどうしても水の蒸発時に水の中にあったミネラル成分が残ります。日々のお手入れ以外に大掃除的なメンテナンスが必要です。水が悪くなっても加熱殺菌するので対レジオネラとしては最強です。

気化式 (気化)

洗濯ものを部屋干しするのと同じ方式が気化式です。先に紹介した資料の方で気化でもレジオネラ菌はファンで飛ばされる可能性はわずかにあるようですが、微粒子の水を撒く超音波式と比較すると大変少ないようです。

気化熱式は大手メーカーが採用している理由として、静かで消費電力が少なく熱い湯気も出ないので安全です。けっこうオールマイティな方式です。

ただ水タンクや加湿フィルターなどの掃除がやりにくいのと、フィルターが2000~3000円そこそこの値段がします、メーカーや製品ごとに形が違いトイレットペーパーレベルで店頭に並んでおらず取り寄せが必要で、結果面倒でそんなに頻繁に交換できなかったりします。

唯一の欠点は消耗品の入手の手間と掃除のしにくさだと思います。

超音波式(散水)

消費電力が少なく蒸気のようなものが目に見えるため、見た目としては一番加湿されている感のある方式です。出ている蒸気のようなものは蒸気ではなく微粒子の水滴ため熱くはなく安全です。この方式が危険な理由は、蒸発でも気化でもなく煙レベルまで微粒子にした水を単に撒くからです。

 微粒子の水はエアロゾルと呼ばれ、レジオネラ菌が潜むことが可能です。それを吸引すると健康によくありません。

私は100均レベルの物しか利用していませんが、特徴を理解したメンテナンスとして、ホット専用ペットボトルを活用します。ホット専用ペットボトルの耐熱温度は85℃前後なので、たまに給湯60度でしばらく置いて殺菌します。水の微粒子が出るところに白い固形物が残るので爪楊枝などで削ったり、定期的な芯棒の交換。あとは当然毎日の水替えをしていました。

結構面倒です。

 

60度での殺菌の根拠は、こちらの国立感染症研究所の資料です。

国立感染症研究所 レジオネラ菌についての説明文章

https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ra/gonorrhea/392-encyclopedia/530-legionella.html

20~45度は人も菌も快適で良くないようです。

 

ぼくがかんがえたさいきょうのかしつき

メンテナンス性最強な加湿器が売ってないか調べましたが、使ってみないとわからない部分でもあり、なかなか見つかりません。ならば作ってみよう。自作加湿器です。

加湿器の方式で考えると、やはり大手メーカーが採用する気化式がベターであると感じました。先の考察でも書きましたが気化式の良くないところはフィルタの入手の利便性と掃除のめんどくささだけです。それから自作の難易度も低いです。

フィルタの入手の利便性と掃除が簡単になったら最強になれると言えます。

コンセプトは、例のあれっぽく

「面倒くさいのは嫌なのでお手入れの楽さに極振りしたいと思います。

 略してお手入れ全振り加湿器

 加湿器は水を入れるタンクが洗いにくいのでタンクは無しにします。
水をフィルタまで導く通路も掃除がしにくく、ぬめりの発生原になるので無しにします。


ということで本体はこれになりました。

バケツです!


続いてフィルタですが、気化式加湿器のフィルタによく似たものが売ってました。

大手メーカーと同様に、気化部分には不織布(ポリエステル)を使います。水の吸い上げ能力は抜群です。

抗菌ロール式カットふきん

これがよく水を吸い上げてくれますし、300円ぐらいで安いし、ふきんなのでどこでも売ってます。

以上で完成です。

 

ぼくがかんがえたさいきょうのかしつき

更に性能を高める

 

 このまま放置しておくだけでも水は減っていき、実感できる加湿効果はありますが、ビジュアルが掃除の途中感が強いので、メーカー製の気化式加湿器と同等にUSBファンを追加してさらに加湿性能を高めます。 ファンも100均で300円~で手に入りますね。

このファンは100均じゃないですが、昔買ってしまったので使っています

 

どの程度加湿されたのか、加湿具合の計測には100均で手に入るフック付き温湿度計をバケツにぶら下げます。

200円か300円の温湿度計、記事書いたのが秋なので暑い

USBのファンは全開で回るものが多いので、ファンの音がうるさい場合は、これを使います。


買ったときは267円だったのに高くなってる・・

流れる電気のボルトを下げてくれるのでファン回転のコントロールが可能になります。回転を下げて静かにします。ただ下げるもできれば、上げる方向にも調整ができるので、間違えるといろいろ壊れるアイテムなのでご注意ください。

 

完成

 

構造的にはメーカー製と同じはず


加湿効果

 2023年3月の10日間ぐらいの実績(switchbot温湿度計で計測)です。 

温度はエアコン暖房で25度あたりをキープ、この雑な自作加湿器で湿度55%以上をキープできています。



利点

消耗品の安さ、水が蒸発して白いものが付着するまで2週間程度。2週間でフィルターを交換することができるし、フィルター入手性がトイレットペーパー並み。コスト的には毎日変えたってOKです。

掃除に煩わしさがありません。フィルター掃除はふきんをハンカチ洗うレベルの作業でOK、バケツ洗いも雑に洗えます。

そして100均の超音波式よりはるかに加湿される、ちゃんと部屋を加湿できる。

夏にはバケツにはバケツとしての仕事を、ファンも扇風機として本来の仕事をしてもらえばよいので、しまう必要が無い。

旅行などへ行く場合にロール式カットふきんを数枚たたんでカバンに入れておき、夏用ハンディファンと旅行先の宿で水を汲めるものを用意すれば即席で作れます。最悪ファンはなくても高気密な部屋であれば加湿効果はあると思います。

 

 欠点

  • 蹴ると最悪ぶちまける(メーカー製も倒したりすれば同じですが)
  • 見た目が超貧乏くさい

 

1シーズン使っての感想

いつも冬場は乾燥で唇が切れてしまうのですが、切れなかったので効果はあると思います。

外へ出かけてから部屋へ戻ると、ホテルの大浴場の着替え場所のような「むわっと」した暖かさを感じます。

もちろん暖房(22度~24度)があってのものです、激寒の部屋は加湿すると更に寒く感じて逆効果ですのでご注意。

部屋は内窓のある高気密な6畳で検証してます。開放的なリビングで使ったらあまり効果はみられませんでした。 


追記:

2024年最新版

2023年~2024年3月にかけては省スペース化した次のモデルを作成しました。
USB稼働するファンは普通に秋葉原やAmazonで買えます。ビーカーは100均で買ってきました。底にアクリルフォームの両面テープや、地震対策のくっつくマットみたいなもので固定しています。


 考えるのも楽しいですが、そろそろ自室もダイキンのうるさらにしてしまおうか考え中です。

 

ダイキンにしか作れない加湿できるエアコン