一畳のくつろぎタイム

このブログでは紹介する商品画像をAmazonアソシエイトより借りています。画像やリンクにはアフィリエイト広告が含まれる事があります

2026年8月5日水曜日

マイナーキャラに注目して十二国記全45話を観た(ネタバレしてます)

それっぽいネズミ獣人と、それっぽい雰囲気のうちの子

アニメ版十二国記45話の視聴を連休をつぶして完了しました。
引き込まれる大変おもしろい作品でした。

視聴のきっかけが、 

最近よくある努力なし、チート無双作品で、力を得た主人公が急に偉そうになるタイプのストーリーが肌に合わない

という理由で、調べた結果、 

灰と幻想のグリムガルヴィンランド・サガ、そして十二国記がその系統とのことだったが、前の2作品は既に視聴済み、残った十二国記を見ることにしました。  

主人公である陽子の人間的成長や、鈴、 祥瓊の成長も素晴らしいし、楽俊のやさしさ、泰麒と驍宗の関係など、リアルな人間像や心理的描写が素晴らしかったです。

その中で異世界ものとして、アニメオリジナルらしい2人の人物に注目しました。 

 

異世界転生? 

始まって、主人公陽子が異世界へ行く展開になりますが、

杉本と浅野という2人のクラスメイトを巻き込んで異世界転移します。
2人とも原作には登場しないらしいのですが、特にこの杉本という女性が面白い行動をとります。

杉本 

もともとファンタジーが好き、異世界への憧れをもっている描写がありますが、
転移した後、異世界転生、異世界転移作品を見過ぎたオタクのような行動や言動をとります。

浅野や陽子が一般人的にうろたえる中で、一人だけ、ついにあたしが主人公の舞台が始まった!と喜んでいるわけです。

異世界転生、転移作品大量生産時代の今の風刺をしているように感じ、「ああ、わたしも、きっと杉本みたいになりそうだな・・」と思うのでした。

杉本はその後、一緒に転移した主人公陽子を自分のストーリーでの倒すべき相手と定め、また、主人公陽子が与えられた戦闘能力やチート武器に近いものを与えられ、対等の力を手に入れたかのようになります。

ライバル的な立ち位置で話が進むのかと思いきや・・、結果、お前は主人公ではないと思い知らされますが、元の世界へ戻れるという、転移者としては幸せな方のエンドを迎えます。

浅野 

杉本の登場は序盤で終了ですが、もうひとりの転移者、浅野はもっと悲惨です。
力も役割も与えられなかった異世界転生者としてのリアルなストーリーとなっています。

浅野もアニメオリジナルキャラということで、序盤で主人公陽子の前からはいなくなりますが、死んではいませんでした。

しかし異世界で、現地人と会話は通じず、チートスキルどころか不遇スキルすら与えられず、ただ異世界転移してしまった人として描かれます。

とてもリアルです、浅野は自分の精神を保つために異世界での自分の役割を求め、存在意義を探し、「愛する杉本が自分の意志に反して王として祭り上げられてしまい、救出して元の世界に帰る」というストーリーを構築し、心の支えに生きていました。

本人の口から作中で「自分はゲームの中にいて、フラグが立つのを待っていた」と語っています。

浅野、現代知識を活用して無双? 

浅野の素敵なところは、何のスキルも与えられなかったが、知識を武器にし「自分が転移してしまったように、元世界の道具も流れ着いているのではないか?」と仮説を立て、結果的に拳銃というある種のチート武器を入手し、メンテナンスして使えるようにしたというところです。

ただ妖魔や、獣人の存在など、元の世界よりも危険な世界のため、相対的に拳銃は見劣りします。
実際、話の中で拳銃も大して役にたちませんが、彼の中のストーリーでは伝説の武器を得たレベルの出来事だと思います。

卑屈だけどそれが人間臭い 

浅野は何も成せませんが、卑屈な生き方を止め、変わろうとします。 
変わろうとしますが、その過程で残念ながら命を落とします。

しかも自分が命を懸けて成そうとしたことは、意味がなかったことも知らされながら死にます。

ただ、亡くなった彼の表情は生きていた時よりも良い顔をしていました。
陽子や杉本、祥瓊や鈴は変わるきっかけを得られて、変わることができましたが、浅野はその変わる過程で命を落とすという不遇っぷりは、なんというかリアル感漂います。

この作品のなかでは魅力的なキャラクター、問題を抱えたキャラクターがたくさん登場しますが、この浅野という人間のリアルさ、普通の人間がなにも与えられずに異世界転移した場合のリアルさにいろいろなものを考えさせられます。

十二国記の世界で、浅野が活躍するの「もしも~」を考えたくなります。